この記事は「NFLaboratories Advent Calendar 2024」の12日目の記事です。
- はじめまして
- 時が経つのは早いもので
- 「IT環境のオンボーディング」と私
- 改善に取り組み始めたきっかけ
- 実態はどうなっていた?
- 「IT環境のオンボーディング」の方針はどうする?
- 実施したこと
- これから
はじめまして
研究開発部システム&セキュリティ担当の豊田と申します。
主に社内向けシステムの担当をしており「入社時のIT環境(ITデバイス、ITシステム)の設定支援」も担当業務です。(以降は「IT環境のオンボーディング」という表現をします。)
時が経つのは早いもので
2024年も残すところあとわずか。
最近は「もう〇月かよ…。」「もう〇月中旬かよ…。」「もう〇月終わりかよ…。」が口癖です。気がつけば、私がNFLabs.に入社してから約1年半が経過しました。
「IT環境のオンボーディング」と私
NFLabs.の立ち上げメンバーだった前任者が退職するに伴い、入社4か月目からメイン担当を務めることになりました。
今年度に入り、ようやく「IT環境のオンボーディング」の改善に取り組み始めました。
これまでの取り組みと今後の展望について、感想や振り返りを交えながら記載しようと思います。
ここで期待値の調整
- 自動化にも取り組みましたが、この記事にはテクニカルな内容は含まれていません
- 「IT環境のオンボーディング」の改善活動について記載しており一般論や正解は記載しておりません。「IT環境のオンボーディング」に関する気付きや、弊社の雰囲気などを少しでも感じ取っていただければ幸いです
余談1
研究開発部のKuriが「チームのオンボーディング時におすすめのゲーム」を紹介する記事を投稿しています。
こちらもよろしければ覗いてみてください。
オンボーディングに最適!自己紹介推理ゲーム「5-Tiles」 - NFLabs. エンジニアブログ
改善に取り組み始めたきっかけ
「IT環境のオンボーディング」の改善に取り組み始めたきっかけは、社内システムの利便性に関するアンケートです。
実施したアンケートの中で「入社時の対応」についても回答してもらいました。
回答は概ね良好でしたが、以下のような意見が寄せられました。
- 説明のスピードが速く、不慣れな状態でのレクチャーが理解しづらい
- 後日で良いものはセルフセットアップで対応でよい
- セットアップでは様々な設定が必要で、翌日対応になったりした際に「どこまで進めていたのか」を思い出しづらい
- 説明が無くても設定できるようにしてほしい
私自身も指摘された点に心当たりがあり「これは改善しなければ」と思い、改善に取り組み始めました。
実態はどうなっていた?
まずは意見と実態の関係を整理しました。
説明のスピードが速く、不慣れな状態でのレクチャーが理解しづらい
「IT環境のオンボーディング」は最初は外部ディスプレイに手順を投影し、みんな一緒に進めますが、以下の要因で必ずペースに違いが出ていました。
- 職種
- デバイスの機種
- システム利用経験の有無
- 期待しないデバイスの挙動
- 緊張や疲れ
- 性格
そのため、各自がドキュメントを参照しながら進める形に徐々に進行が移行していきます。しかし、実施項目によっては以下のような問題があり、応対するこちらも早口になったり、説明を省略したり、操作を代行してしまうことがありました。
- ドキュメントだけでは意図を汲み切れず、口頭でフォローが必要な場合がある
- ドキュメントの内容が多すぎて、セットアップ時には過剰な情報が含まれている
後日で良いものはセルフセットアップで対応でよい
良くも悪くも、後日で構わない項目も当日に説明をしていました。
- 複合機の設定
- 自己紹介の設定
- システムの通知設定 など
セットアップでは様々な設定が必要で、翌日対応になったりした際に「どこまで進めていたのか」を思い出しづらい
セットアップ時に参照するドキュメントが複数存在し、それらを跨いで作業を進めることもあるため、自分がどこまで進めたのか把握しづらい状況が生じていたと考えられます。
説明が無くても設定できるようにしてほしい
上述のように実施項目によっては以下のような問題がありました。
- ドキュメントだけでは意図を汲み切れず、口頭でフォローが必要な場合がある
- ドキュメントの内容が多すぎて、セットアップ時には過剰な情報が含まれている
余談2
私は「IT環境のオンボーディング」において、以下の点を心掛けています。
- 好意的な印象を持ってもらうこと
- おそらく人事担当や上長に次いで対面するのが私であるため、入社後のファーストインプレッションに関与することを意識しています
- また、社内向けに発信することも多いので印象は大切です
- 手取り足取り教えすぎないこと
- 手取り足取り教えすぎてしまうと、それに慣れて思考を停止するようになる恐れがあります。その場では良いかもしれませんが、その後を考えると自分で理解をして進めることが大事です。そのため、手取り足取り教えるのではなく、できるだけ理解してもらうようにフォローすることを心掛けています
「IT環境のオンボーディング」の方針はどうする?
さて、意見と実態のギャップを施策で埋めていきます。
施策を考える上で、予算や人員、スピードなどを考慮する必要があるのは当然ですが「IT環境のオンボーディング」を通して何を大切にし、どのような価値を提供したいのかによっても施策は変わってきます。
例えば「説明のスピードが速く、不慣れな状態でのレクチャーが理解しづらい」という意見に対して「とにかくセットアップを完了させる」ことを目指す場合、以下の施策が考えられます。
- 当日対応するスタッフの人数を増やす
- 当日の説明時間を延長する
- セットアップを代行する
で、どのような方針にしようと思ったか
「IT環境のオンボーディング」は、オンボーディングプロセスの一部です。オンボーディングとは、組織にスムーズに溶け込めるようにすることだと考えています。
弊社の特徴は以下です。
- 在籍者の8割がエンジニア職
- リモートワークを活用した勤務形態
- フルフレックス制度の導入
- ドキュメントとテキストベースの非同期コミュニケーションが多め
※誤解を避けるために補足※
出社することもありますし、取引先との勤務時間の調整もあります。また、Web会議やチームによってはGatherなどを活用したコミュニケーションも行っています。また、入社時に限らずオンラインでもオフラインでも日常的に親切に対応してくれる社員ばかりだなと私は感じています。
このような弊社の環境を踏まえ、以下を方針とすることにしました。
- 各自のペースで進められるようにする
- できる人はどんどん進め、そうでない人は自分のペースで進められるようにする
- フォローが必要な人にリソースを集中する
- できるだけドキュメントを参照して作業を進めてもらう
- できるだけ理解して進めてもらうことを重視する
- テキストベースのコミュニケーションに慣れてもらう
- 分からないことを質問する際に、テキストベースのコミュニケーションを活用してもらう
実施したこと
主に以下を実施しました。
- 実施項目の整理とチェックリスト形式への変更
- ドキュメントの整理
実施項目の整理とチェックリスト形式への変更
具体的には主に以下を実施しました。
Slackリストを活用してチェックリストのテンプレートを作成しました。
ワークフローを組んでおけば各自専用のチェックリストが作成されます。
Slackリストを使うと項目ごとにコメントできるのでやり取りがスムーズです。
ドキュメントの整理
具体的には主に以下を実施しました。
- 最新でない記述の修正
- 無駄やばらつきを減らすための記述の修正
- セットアップ時に参照しやすいようにドキュメント構成を最適化
これらの作業は想像以上に面倒で、モチベーションの維持も含めて大変でした。(実はまだ手を付けれていないものもある…。)こだわり始めるとキリがないため、一定の修正を行った後はフィードバックを基に改善する方が良いと感じました。また、気づいた時にすぐに更新することを心に誓いました。
これから
実際に運用を開始したのは12月からで、まだ改善の余地があると感じています。
今後取り組みたいこととしては、以下の点があります。
- 「IT環境のオンボーディング」に留まらず、各担当からの依頼事項も含めた包括的なものに昇華させたい
- 負担を慎重に考慮しつつ、クエスト要素(例:「○○してみましょう」)を取り入れた項目を追加したい
最初から完璧を求めず、基本的な仕組みを整えつつ、反省とフィードバックを得ながら改善していきたいと思います。