NFLabs. エンジニアブログ

セキュリティやソフトウェア開発に関する情報を発信する技術者向けのブログです。

新米マネージャの奮闘日記

こんにちは。NFLabs. 事業推進部 教育研修担当の武井です。

この記事は NFLabs. アドベントカレンダー1日目で、多くの新米マネージャが持つであろう悩みとそれに対する自分なりの考えについてお話をしたいと思います。

はじめに


今年の3月にマネージャとなり、約9ヶ月間のマネージャ業務を通して、悩んだこととそれについての自分なりの考えについてお話をしたいと思います。

悩んだこと


メンバー個々人が最も輝く状態にするにはどうすればよいか

メンバー個々人が最も輝く状態にするにはどうすればよいか


様々な書籍に書かれているマネージャの責務の1つは、チームのパフォーマンスを上げることです。

メンバー個々人の価値観を知る

自分1人のパフォーマンスを上げるのであれば、様々な分野の勉強をしたり、効率化を図る、など自分なりの方法があります。しかし、チームには複数のメンバーが居て、個々人が自分と異なる背景を持ち、異なる価値観を持っているはずで、その価値観を大事にしながら、チームのパフォーマンスを上げるために自分に何ができるか悩みました。

アプローチの仕方はたくさんあると思いますが、まずは個々人の価値観を知りたいと思いました。個々人の価値観を知れば、その価値観に沿うようなタスクの選定、タスクの任せ方、サポートのタイミングなどが分かり、個々人が最も輝ける状態を作れるのではないかと考えたからです。

興味のあることや、心が動く瞬間、嫌なことや、自身の悩みなど、何でもいいので、メンバー1人1人のことを知りたいと思いました。

しかし、マネージャとメンバーという関係上、精神的に構えてしまい、なかなか自身の価値観を話してくれないのではないかと思いました。リモートということもあり、チーム編成当初はメンバーとの距離をとても遠く感じていました。

この距離を縮めるにはどうすればいいのか、自身の過去を振り返ることにしました。構えることなく、自分自身を出せたのはどんな上司であったかを考えた際に、出てきたのは、お酒を飲むとおかしくなるけど、普段は常に変わらない態度、仕事を任せてくれているけど見守ってくれていることを感じる上司でした。

この信頼関係は一朝一夕でできるものではなく、メンバーと向き合い続け、個々人が輝けるための環境を用意し、行動し、その姿勢を見せ続けることが大事なのかなと、思いました。

まずは自分から行動し続けるのと並行して、メンバー個々人のことを知る環境が欲しかったので、1on1や朝ミーティングなどやり方を何度も変えて模索していました。

メンバーの表情を見たかったので音声通話からビデオ通話に変更したり、健康状態を話すだけの場から、「前日に感動したこと」をテーマにしたトークをしてもらうように変更したり、自由なテーマで1人ずつトークしてもらうように変更したりなどやり方を変え続けました。変更した際には、トークしづらい雰囲気になるなどうまく運営できないこともありました。特にビデオ通話に変更した際はメンバーから抵抗があり、続けるか否か悩むこともありました。

現時点で今のチームに合っていると感じているのは、毎日朝ミーティングの30分で特に制限をつけずに自身について自由に話すことです。

テーマは特に決めず、今興味を持っていることや、新しく始めたこと、読んでいる本や楽しみにしていること、悩みなど、色々なことを各自約5分ずつ私も含めて話をしています。ネタがなくて困らせてしまっている時もありますが、メンバー1人1人の物事の捉え方がよく分かり、また気づきもたくさんあり、1日の中で最も大事で大切な時間になっています。

朝ミーティングを通して、個々人のことを知ることができたことで、タスクの選定や任せ方、サポートのタイミングなども、個々人に合わせることができるようになりました。

お客様からの感謝の声にやりがいを感じると話してくれたメンバーには、お客様からダイレクトにフィードバックがもらえるプロジェクトを任せ、サービスの設計から開発、運用までチャレンジしてもらったり、メンバーのサポートをすることにやりがいを感じると話してくれたメンバーには、高い技術力を活かし、複雑な環境構築のテクニカルサポートを任せたりなど、メンバーの価値観に合わせて任せるタスクや役割を考えていきました。

また、毎日話をすることで、体調や心境の変化が分かるようになりました。眠れない、集中できない、体調が悪い、気持ちに余裕がなさそうなどマイナス面の変化があったときは、任せているタスクがストレスになっている可能性を考え、適宜状況を本人に確認し、サポートの必要があると判断した場合は、相談の上、タスクの期限や体制を調整しました。

まだまだ任せ方にもサポートの仕方にも改善の余地はたくさんありますが、やりがいを感じる、仕事が楽しいとメンバーが話してくれるときは、とても嬉しく感じます。

価値観を知る際や、価値観に沿ったやりがいを感じられるようなタスクの創り方や任せ方を考える際、負荷がかかりすぎないように細やかに調整をする際に、私には日々の会話が不可欠であったと感じています。

自分の固定観念を捨てる

また、メンバー個々人が最も輝くために、大事だと思うことがもう一つありました。それは、自分の考えが正しいという思い込みや好き嫌い、固定観念を一旦捨てることです。

マネージャ自身に思い込みがあれば、マネージャの器以上にはチームのパフォーマンスが上がらないと思ったからです。チームとしてどう進むべきか、新しく何を取り組むかなど、正しく判断すべきポイントは何度もあり、その際に、思い込みがあるとそこに引きずられ、誤った判断をし、チームが本来持つパフォーマンスを出せなくなる可能性があります。

チームを持ってからよく思うのは、メンバーの方が優れていると感じる点がたくさんあることです。自分自身にも強みがあり、自分の判断にも自信があったのですが、何度も自分より冷静な見方、新しい着眼点などを教えてくれるメンバーの姿を見るにつれ、自分の考えが正しいという驕りは捨てようと思いました。

その結果、1人1人の良さを活かした選択肢を冷静に見ることができ、チームとしての選択肢の幅を広げることができたと感じています。

まとめ


メンバー1人1人のことをよく知り、個々人が輝ける環境を用意し、自身の思い込みを捨て、チームのパフォーマンスを最大化する。私が9ヶ月間のマネージャ業務を通して実践してきたことです。

9ヶ月前と比べると、リモートだと忘れるくらい、メンバーのことを知ることができ、なんでも話せるようになってきたのかなと感じています。

昔は、マネージャよりも現場で自身のテクニカルスキルを磨き続けたいと考えていましたが、マネージャの、人に注目して1人1人を輝かせながらチームの力を最大化していくことも、とても価値ある仕事だと感じています。

やりがいを感じた瞬間は何かという質問にはこれまでは、お客様から感謝された時、と答えていましたが、今は、メンバーの成長を感じる時、と答えます。

これからも、メンバーと共に私自身も成長していきたいと思います。

アドベントカレンダーの2日目は橋本さんによるWindowsイベントログに関する話です。

終わり