はじめに
みなさん、こんにちは。教育ソリューション担当の松藤です。
早速ですが、私は自分のチームを初めとして会社全体の組織力を最大限に発揮させる方法を日々学び、実践的に導入しながら組織成長の実現を目指しています。
その中で私は一人ひとりが積極的に挑戦でき、イキイキと活躍しながら成長できる状態を実現したいという思いが強く、コンセプトとして共通している点が多いアジャイルの思想から着想を得て活動をしています。
そこで今回は、アジャイル学習の中でポジティブさの重要性について学び、チームのポジティブさを更に高めることは実現したい姿に一歩でも近づくのではないかと考え、「褒めるワークショップ」というものを企画し自チーム内で開催しましたのでその内容を共有したいと思います。
そもそも「褒めるワークショップ」ってなに?
参加者の凄さ、強み、魅力などポジティブな内容についてみんなでワイワイ自由に伝え合う会であり、筆者が独自に考案し、作成したものとなります。
ポジティブさの重要性について
皆さんは、日頃から少しでもポジティブさを意識して仕事をしていますか?
自己組織化したチームを作るためにポジティブさという要素が必要不可欠であり、これは誰か一人がポジティブさの重要性を理解していても効果が低く、組織全体が理解することで高い効果を発揮します。
アジャイルに関する書籍の中でポジティブさの重要性について以下のように記載されています。
ポジティブさの重要性
人の脳は、失敗よりも成功に焦点を当てた方が効率的に動くといわれており、人間が持つ潜在能力を引き出すには、成功の方により焦点を与えるように脳のパターンを切り替える必要がある。
あらゆる困難な状況で(例えば、習慣やマインドセット、仕事のやり方を大きく変えようとするときなど)、ポジティブさは大きな違いをもたらします。ポジティブさとは銀行口座のようなものです。残高が多い時に何か問題が起こるとします。
例えば駐車違反をした場合、それは喜ばしい出来ことではないかもしれないが、これも勉強だと思って罰金を払い、先に進むことができます。しかし残高が少ない時に罰金をとられることは大打撃です。
月末までパンしか食べれないというような状態になってしまいます。そういう状態だと、状況をとてもネガティブに受け止めて、防御的になったり、他人を非難したりするようになります。
ポジティブさの度合いは、組織でも同じように作用します。ポジティブであればあるほど、ネガティブな問題にうまく対処して問題から学ぶことができる可能性が高くなるのです。
[アジャイルリーダーシップ 変化に適応するアジャイルな組織をつくる(書籍)]のポジティブさの重要性の章から抜粋
このあとの記載で小さなことでもしっかり一人ひとりの素晴らしい部分を認め(承認)、周囲に共有することが組織のポジティブさを高めるとあります。
人を承認するという行為に恥ずかしさを感じる人もいるかと思いますが、日頃から小さなことから承認し合えるマインドや環境が組織で出来ていれば承認という行為が当たり前となりポジティブな組織作りに繋がっていくと考えます。
さて、みなさんの組織はいかがでしょうか?
スクラムやアジャイルで良く聞く5つの価値基準にある「尊敬」「勇気」はこういった所にもかかっていると考えます。
実施による期待する効果
実施にあたり私は以下の効果を期待しました。
- 参加者のポジティブさが少しでも向上し仕事への活力になってほしい。
- 気づいていない自分の凄さ、強み、魅力などポジティブな部分を発見してほしい。
- 参加者同士お互いの理解を高めてほしい。
- 日頃からお互いの良さに目を向け、伝えるきっかけになってほしい。
- 実施内容をブログに掲載することで組織外のポジティブさ向上のきっかけになってほしい。
- ただ、自分が褒められたい。
「褒めるワークショップ」の実施方法
- 所要時間:1時間程度
- 3セッション × 15~20分程度
- 1テーブル 5人程度 (2テーブル)
- 参加者:自チームの10名(管理職1名)
1セッション目(20分)
- 模造紙に同じテーブルの参加者の名前を一定間隔で記載する。
- テーブルの参加者に対する凄さ、強みなど、基本ポジティブな内容について自由に伝え合う。
- 出た強みや魅力などのキーワードなどを自由に名前の周りに記載する。
2セッション目(20分)
- メンバーはそのままで、テーブルを交換する。
- 模造紙に記載のあるメンバーに対する凄さ、強みなど、基本ポジティブな内容について自由に伝え合う。
- 出た強みや魅力などのキーワードなどを自由に名前の周りに記載する。
3セッション目(15分)
- 全体で集まり、セッション1,2で出た内容を共有し合って終わりです。
実施結果
参加者のポジティブがたくさん出ました!
参加者の感想
Aさん
自分に対して褒めてくれている点が複数人で共通していて、客観的な自分のイメージというものが分かり、自分の強みを探している人には客観的イメージを得られてよいと思いました。また、意識して行っている点を褒めてもらえると嬉しいので、より頑張ろうと思えました。
Bさん
客観的に自分を知ることができた点が非常に良かったです。最初は恥ずかしかったのですが、だんだんと良い点をメンバーと話しながら書き出すことができました。
自分自身で認識できていない「そうなの!?」と驚く言葉が多々ありました。自己評価と同じ点だけではなく、乖離している点が書き出されているため、自分の無意識的な行動が可視化されており、それがメンバーに良い影響を与えられていることに安心した機会でもありました。
Cさん
私は若手ということもあり、先輩に対してお礼を伝えることはあっても褒めることは無かったため、先輩の良いところを伝えるというのは貴重な経験でした。また、チームメンバーの得意なことをお互いに知る良いきっかけとなり、チームのパフォーマンス向上につながったと思っています。
Dさん
普段の業務の中ではあまり口にしない褒めを沢山口にする・自ら浴びることで非常にポジティブな気持ちになりました!
ワークショップ実施前は効果に少し懐疑的だったり、上手く褒められるかな、褒めてもらえるかな、といった気持ちもありましたが、想像以上に良かったです。
自分が褒められることもそうですが、他のチームメンバーの良いところを共感しあったり、自分が気付いていなかった他の人の良いところを知ることが出来たりと、全体の雰囲気がポジティブになったのがいいと思いました。
他人から自分がどうみられているのかをポジティブな面から知ることができたことで自身の長所を活かしていけることはもちろん、他の人の良いところを改めて見つめなおすことで「自分もこうありたい」という理想像を明確にできた気がします。自身の成長のためにも、他者の良いところを知れるこのワークショップは有効であると感じました。
Eさん
だいたいは自分の印象と他のメンバーの印象が同じだったが、たくさんではないが自分には見せない(メンバー同士では見せあえる)ような内容もあり、意外な一面を知れたとのは良かったです。メンバーそれぞれの良いところを改めて認識することができました。とても楽しかったです。
おわりに(筆者の感想)
実際にやってみると筆者自身も気づいていない自分の良さを発見できたり、気づけてなかった参加者の新たな一面を知れる良いきっかけとなりました。
とにかく自分自身が褒められることがシンプルに嬉しかったのと、参加者一人一人が褒められている際にそれぞれがハニカミながらもとても良い表情していたのが印象的でした。
この1回の取り組みで何か大きく変わることはないと思いますが、筆者自身これからもこういったイベントを企画・実施したり、意識的にしっかり周囲を見て承認し続けることで小さな組織から少しづつポジティブさが向上し、じわじわと組織の垣根を超え、会社全体のポジティブさとアウトプットの最大化につなげていきたいと思います。
最後に、今回実施するに当たって楽しく実施して下さった参加者の皆様に心より感謝申し上げます。