こんにちは。NFLabs. 事業推進部の香川です。普段はスクラムチームでセキュリティ業務を支援するシステムの開発を行なっています。
もう2ヶ月近く前になってしまうのですが、今年の1/5-1/7に行われたRegional Scrum Gathering℠ Tokyo 2022(RSGT2022)に参加してきました。 こういったコミュニティに参加することは初めてで、もちろん知り合いもおらず、ガチのソロ参加でした。 正直参加前はめちゃくちゃ不安でしたが、交流もあり学びもありで終わってみるととても充実した時間になりました。
来年開催された際に、これを読んでくれた方が「自分もソロだけど参加してみようかな〜」と思ってもらえると良いなと思いブログを書いています。
RSGT2022とは
そもそもRSGTとは何なのよ?という方のために説明します。
公式サイトでは以下のように記載されています。
Regional Scrum Gathering℠ Tokyo 2022は、東京で行われるRegional Gatheringとして11回目になります。運営母体である一般社団法人スクラムギャザリング東京実行委員会は、スクラムを実践する人が集い垣根を超えて語り合う場を提供するという目的によりコミットしています。
つまりは 普段アジャイル開発やスクラムをやっている人が集まって意見交換しようぜ!な場です。
なお、去年と今年はオフラインとオンラインのハイブリッドで開催となり、セッションの様子は配信され、後から録画を見返すことも可能になっています。(ありがたい、、)
一般的なカンファレンスと同様にセッションが行われる他、Gatheringの名の通り参加者同士の交流も活発です!
私は今回オフラインで参加しましたが、現地では参加者間で交流や意見交換を楽しむ方が多数いらっしゃいました。
参加したきっかけ
私は去年の10月からチームでスクラムマスターとして活動していますが、スクラムマスターはどのように振る舞えば良いのか、スクラムの原則をどうチームに適用させていけば良いのか、とても難しく感じる毎日でした。特に、スクラムガイドで定義されている「プロダクトゴール」と「スプリントゴール」をどのようにチームに適用させるのか難しさを感じていました。
そんな中見つけたのが、長沢智治さんのプロダクトゴールとは?あるいはプロダクトのゴールを設定するには何が必要か? というセッションです。プロダクトゴールについて調べていた時にたまたまこのプロポーザルを見つけ、これこそが自分が知りたい内容ではないのか?と思い、この発表を聞くことができるRSGT2022に参加することにしました。
会場の様子
参加前、私は楽しみな気持ちもありましたが、不安な気持ちも大きかったです。冒頭でも述べた通りRSGTは参加者同士の交流が盛んで、RSGTというイベントについて調べると「行くと知り合いばっかりでめちゃくちゃ盛り上がって楽しかった!」みたいな感想が次々と出てきます。そんな中に私みたいなコミュ障が1人で行って大丈夫なのだろうか?と、とても不安な気持ちがありました。直前は「やっぱりオンラインでひっそり参加しようかなあ」とも思っていました(笑) 一方で、せっかく参加するのだから知り合いを増やして帰るぞ!という気持ちは持っていました。
RSGTではそんな私のためのようなセッションがあります。1日目の終わりに開催される (知り合いになって)あなたの小さな挑戦を自慢する会 です。
このセッションではその名の通り知り合いを増やすことを目的とし、少人数のグループに分かれて自己紹介や自分の挑戦のアウトプットを行いました。
セッションに参加し、私と同い年なのにバリバリスクラムマスターやっている方、IT以外の分野で日々奮闘されている方など、いろいろな話を聞くことができ非常に刺激になりました。
またこの日に知り合った方とは翌日立ち話で振り返りの方法を話し合ったり、そうしていると話の輪ができて他の人とも知り合うことができたり…初参加とは思えない輪の広がり方でした。(RSGTすごい…)
このセッションがなければ、おそらく私は1人で参加して何も言葉を発しないまま帰っていたでしょう。このセッションを開催していただいて本当にありがとうございます。
セッションの様子
交流だけでなく、セッションもたくさん聴講して様々なことを学びました。その中から、プロダクトゴールとは?あるいはプロダクトのゴールを設定するには何が必要か? と あなたのSprint Goalは、機能してますか? について記載します。
プロダクトゴールとは?あるいはプロダクトのゴールを設定するには何が必要か?
私がプロポーザルを見て参加するきっかけになったセッションです。発表資料は こちらに公開されています。
このセッションではスクラムガイド2020で新たに定義された「プロダクトゴール」について解説されます。
プロダクトゴールはスクラムガイドで規定されている確約(コミットメント)の一つです。
しかしながら、いざ自分のチームに具体的にゴールを設定しようとなると、どのようなゴールを設定すれば良いのか難しく感じる方、そもそもプロダクトゴールって決める必要ある?と思われる方もいらっしゃるかもしれません。
実際私が所属しているチームでも、プロダクトゴールを明確に決めないまま開発を進めてきました。
プロダクトゴールを設定することでどのような効果があるのでしょうか?
このセッションでは「プロダクトゴールによって目指すもの・実現するもの・ステークホルダーが期待するものが明確になる」と説明されていました。
私が特に印象に残ったのは、ステークホルダーが期待するものを明確にするという点です。私のチームではゴールを自分たちのチームの中だけで議論しがちなのですが、プロダクトゴールをステークホルダーと共有・調整し、期待値をマネージしながら進めていくことが求められるようです。この学びはぜひ私のチームでも実践していきたいと感じています。
一方で、具体的にどのようなゴールを設定すれば良いの?については当然チームにとって様々であり、チームで議論しながら正解を見つけていくしかありません。引き続き私のチームでも議論を続けていきたいと思います。
あなたのSprint Goalは、機能してますか?
プロダクトゴールに引き続き、スプリントゴールに関するセッションです。発表資料はこちらに公開されています。
セッションの初めにいくつか質問がありました。「スクラム実践してますか?」という問いに対しては会場のほとんどの方が挙手されていました。しかし「スプリントゴールを活用してますか?」に対しては会場の半分程度、「スプリントゴールが役に立っていると感じてますか?」ではかなりの方の手が下がりました。スプリントゴールの活用に苦戦されている方は多いようです。
このセッションでは、スプリントゴールの効果について以下のように説明されていました。
- チームの活動に軸を据え、幅を持たせる
- ステークホルダーとのコミュニケーションの質を上げる
- チームの活動やプロダクトの状態の透明性を上げ、検査し、適応を促す
ここでもステークホルダーが登場しました。スプリントゴールをステークホルダーと共有することで、現状や目的をステークホルダーと共有したり、期待や好奇心を刺激したりと、スプリントゴールはステークホルダーとのコミュニケーションのツールとして使用できるのだなと感じました。
もちろん、チームにとってもスプリントゴールがあることによって、より本質に集中できるようになり、意思決定を行う際にも「スプリントゴールに寄与するかどうか?」という観点で判断できるようになるなど、非常に重要なものになります。
一方で、単に行動の達成目標や、選択したPBIをまとめただけのスプリントゴールには注意したいと話されていました。私のチームでもまさにスプリントゴールが選択したPBIをまとめただけの状況になってしまうことがよくあります。セッションはDiscordのチャットでも実況されているのですが「心当たりがありすぎる」などと大盛り上がりでした。(笑)
私の所感としては、スプリントプランニング開始時のPBIの並び順が絶対で、その場で調整を行っていない場合にそのような現象が起きやすいのかなと考えています。このセッションでは、まずはスプリントゴールの素案を作成し、ゴール達成のために並び順が不適切であれば調整を行いながらプランニングを行うことが運用の一例として紹介されていました。
私のチームでもどのように運用するのが良いのか、これから試していきたいなと思うきっかけになったセッションでした。
おわりに
参加する前は不安な気持ちも大きかったですが、セッションで貴重なお話を聞くことができたり、交流ができたりと非常に楽しむことができました。自組織以外の方との関わりが私はこれまであまりなかったのですが、自組織での悩みは他の方も同じように悩まれていることだったり、他のチームの取組みを聞いてとても刺激を受けたりと、新たな発見、学び、刺激の連続で今回の交流がとても充実した時間となりました。今後も機会があればこうしたものに参加していきたいですし、それを通してNFLabs.の業務をより良いものにしていきたいと思います。
最後になりましたが、RSGT関係者の皆様、このような素敵な場を設けてくださりありがとうございました。
今回私とお話していただいた皆様ありがとうございました。またどこかでお会いした際はよろしくお願いします!